受験生にとって、夏は予備校や塾など忙しい時期。しかし、その使い方は重要。ただひたすら通えばいいだけではない。息子3人を難関私立の灘中・高校から東大理IIIへ進学させ、『受験は母親が9割』(朝日新聞出版)を出版した佐藤亮子さんが、予備校や塾の活用法を伝授する。
息子3人が灘→東大理IIIに進んだ佐藤さんは、大学受験で夏を制するコツは、ずばり「予備校の授業を取りすぎない」ことだと言う。
「予備校の授業をめいっぱい取ると必ず失敗します。10講座取って、30万円払ったなどという話を時々耳にしますが、連日、朝から晩までずっと予備校にいては、自分の弱点を鍛える時間がありません。通うだけで満足してしまい、7月1日と9月1日の実力は何も変わっていない、という結果になります」
佐藤家の3兄弟は高3の夏、週4日ほど東大・京大受験専門塾「鉄緑会」へ通った。だが、受けるのは平常時と同じ授業。いわゆる「夏期講習」は1日1コマか2コマ程度で、化学など特に鍛えたい教科だけを選んだ。余力を残すのは、帰宅後にテキストの復習に時間を使うためだ。
「夏休みは、焦らずに自分の弱点を見直すことのできる最後の時期。英語も数学も物理も化学も全部頑張ろう!と気合が入るのもわかりますが、一つの科目を完璧に仕上げて、あとは少しできたな、という程度で大成功。ここで頑張りすぎて手を広げすぎると、結局何も身につかないし、秋ごろに息切れしてしまいます」