気象と健康の関係に詳しい東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科の川嶋朗教授は、こうした不調の一因を「副交感神経が優位になるから」と説明する。
「梅雨時は低気圧になり、空気中の酸素が薄くなる。体はその薄い酸素に耐えられるように自然と“お休みモード”に入る。つまり副交感神経が優位になります」
一般に副交感神経というと、リラックスできるイメージだが、薄い酸素への対応で「リラックスしすぎた」状態が続くと、逆に具合は悪化する、というのだ。副交感神経は血管も広げる。血管が広がったままだと、「流れに勢いがないだだっぴろい川」のように、血めぐり(血流)が悪くなる。梅雨は湿度の問題もある。「湿度が上がると、ヒスタミンという物質が出て、体の痛みを増長させる。リウマチやその他の関節炎の痛みも増します。体調が悪いから家にこもってばかりなんていう人も。でも梅雨こそ体を動かすべきだし、少しの工夫で体調がアップしますよ」
梅雨対策は血めぐりをよくするのが大事で、これは冷え対策とも重なるという。6月ごろから使い始める冷房でも体は冷えるので、対策を考えたい。ちなみに昨年の関東甲信の梅雨は6月5日ごろ~7月21日ごろ、近畿は6月3日ごろ~7月20日ごろ(気象庁)。
※週刊朝日 2015年6月5日号より抜粋