ライバルに勝った、負けたはいつの時代も気になるもの。スポーツだけでなく、大学進学実績もまた同じだ。
新旧の名門校がしのぎを削るのが奈良県だ。1926年創立の東大寺学園は、東大と京大のダブル受験ができた88年に東大に63人が合格してトップ10入りし、それ以降、ほぼ毎年30位以内に入っている。50年以上にわたり、県内トップ校として君臨してきた。
そこに86年創立の西大和学園が激しく追い上げている。今年の東大合格者数は東大寺学園が32人、西大和学園は28人で、差は4人だ。
東大寺学園の森宏志校長はこう話す。
「本校と西大和学園さんとでは、教育の手法がかなり違います。うちは生徒の自主性を尊重する方針。努力されていることには敬意を抱いていますが、ライバル視はしていません」
対する西大和学園の福井士郎校長はこう語る。
「東大寺学園さんは伝統校ですごい高校だと思っています。開校当初の目標の一つが『東大寺学園に追いつき追い越したい』でした」
東大寺学園に追いつくため、生徒に猛勉強を課してきた。
「当初は授業前に英単語、漢字、数学などの小テストを行い、授業時間は60分の7時限、放課後も希望者を対象に補習を行いました。長期休暇も短縮し、夏休みには高野山で5泊6日の勉強合宿を実施。その結果、90年に初めて東大合格者が出ました」(福井校長)
合格実績が上がるにつれて、優秀な生徒が集まるようになったという。
「約10年前に京大合格者数で上回り、今年は京大合格者数で初めて全国単独首位になりました。今後は東大合格者数も増やし、東大+京大の合格者数で日本一になりたい」(同)