不調が続くタイガー・ウッズについてプロゴルファーの丸山茂樹氏はこう分析する。
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また惜しかったですね!
松山英樹(22)がフェニックス・オープン(1月29日~2月1日、米アリゾナ州・TPCスコッツデール)で、優勝したブルックス・ケプカ(米国)に1打差の2位。同じく1打差で3位だった3週前に続く惜敗でした。米PGAツアー2勝目は、すぐそこまで来てるんですけどね。
今年2度目の最終日最終組でした。いきなり1番パー4で、残り128ヤードをウェッジでカップに放り込んでイーグル。3番、5番ホールでもバーディーでトップに並びます。
波に乗って一気にいくかと思いきや、打ったあとに首をかしげるシーンが増えていった。13番でようやくバーディーが来て単独トップに立ったんですけど、続く14番パー4が運命の分かれ道になりました。
あそこの3パットでリズムが壊れましたね。一瞬でリードがなくなり、続く15番パー5ではショットの距離感が強め、強めに入ってました。これで2位に後退して、17番は4メートル、18番は5メートルのバーディーパットが打ちきれない。結構、後味の悪い2位でした。
英樹は試合後、「悔しいのは全ホールですね」って言ったらしいですね。僕が見てた感じだと、そんなにショットがよくなかった気がしますね。アイアンも少しずつズレてたし。そういう意味で「全ホール悔しい」って言ったのかな?
勝ちきれないとはいえ、英樹の今シーズンの安定感は素晴らしいんですよ。米ツアーの部門別ランキングを見ると、飛び抜けた数字はないんです。でも総合力を示す「オールアラウンド」で8位に入ってますからね。今回も2日目に予選落ちの危機がありながら、立て直して優勝争いまでいった。タフなコースばかりの中で、毎試合確実に経験値を積み上げてる。22歳にして最高の経験ですよ。
お粗末だったのがタイガー・ウッズ(39)。通算13オーバー、最下位の130位で予選落ち……。昨年8月の全米プロ選手権以来となる米ツアー復帰戦は最悪の結果に終わりました。昨年5月に1位から陥落した世界ランキングは、56位にまで落ちました。
何ホールかいい球は打てても、続かない。翌日になると、いきなり出だしで悪いイメージのスイングが出てしまう。前にも触れましたけど、技術うんぬんだけでなく、心が病魔に襲われてるんじゃないですか?
さらに、続くファーマーズ・インシュランス・オープンは、持病になってる背中の痛みを訴えて初日で途中棄権。過去7度優勝してた大会なんですけどね……。いよいよヤバいことになりそうな予感がします。
今回のフェニックス・オープンは4日間でのべ約56万人のギャラリーが集まったそうです。これ、毎年のことなんです。昨年の日本ツアーが23試合で約39万人ですから、どれだけすごいか分かりますよね。
まあ、ちゃんと観戦してるのは1割、なんて冗談もありますけどね。みんなビール飲んで、大騒ぎするために来てるんですよ。16番には約2万人が入れるスタンドがあってね。選手にとっては集中しにくい試合なんです。僕はいい思い出ないですね。でも、そんな試合でも英樹は去年4位、今年は2位ですから。相当ずぶとい神経の持ち主っすよ。
※週刊朝日 2015年2月20日号
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