『週刊朝日』の長友佐波子編集長が企業で輝く女性役員にインタビューする「フロントランナー女子会」。今回はニチイ学館で介護事業統括本部・取締役統括本部長を務める黒木悦子氏です。
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長友:管理職として心がけていることはありますか?
黒木:スピード感と、起きていることを正しく認識する、ということでしょうか。本社で何かを決めてから、拠点につながるまでに2クッションぐらいあるので、いかにスピーディーに課題を明確にして解決していくか。部下にもあいまいな報告内容だと、「なぜ、なぜ?」と聞き続けて、課題を明確にし、考察させています。それは自分に対しても同じで、日々鍛錬ですね。
長友:40代半ばで施設介護事業本部長、2年前には取締役就任と、お若い出世ですが、プレッシャーはありませんでした?
黒木:ありましたが、考えないようにしていましたね。うちは30代で係長、課長になる人もいますし、全体的に若いんですよ。
長友:女性の役員も多いですよね。
黒木:社員全体の8割が女性で、役員は16人中5人が女性。うち3人が看護師出身だから、ここで倒れても安心ですし(笑)、いろいろな面で女性が働きやすい会社だと思います。
長友:ヘルパーや契約社員から正社員への道はあるんですか?
黒木:はい。非常勤のパートで入って今は本社の本部長でバリバリの方もいますし、会社の中は現場で活躍されてキャリアアップしてきた方ばかりですね。うちは教育事業もありますから、そこでさまざまな上位の資格をとってスキルアップして、正社員にチャレンジしていただくという道がしっかりありますし、普通の業務をやっていく中でも、最低でも月1回は拠点レベルでの勉強会があります。また、夫の扶養の中で働きたいとか、自宅の近所で空いた時間にヘルパーをしたいという方も多いので、時間給の方でもキャリアを積んで一定の基準を満たせば時給が上がっていくシステムも作っています。
長友:ちなみに、親の介護のご心配は?
黒木:まだなんですが、いずれ必要になったときも、当社の拠点が実家の近くにあるので安心ですね。
長友:その時が来たら、ご自分も御社の施設を選びますか?
黒木:選びますね。ぜひ入りたい。そういう意味で言うと、われわれが入るころは、今とはまた違うニーズが出てくると思うんですよ。バブル世代ですからワガママなことを言いそうですし、そういうサービスを考えるのも楽しいですね。
長友:私、黒木さんと同学年なのでわかります。必ずクラブが併設されて、みんな踊ってるとか(笑)。
黒木:そうそう(笑)。将来的には仲間と一緒に自分たちが造った施設がどう育っているか見て回りたいんです。見るだけじゃわからないから、住みながら移動して全国を行脚したい。長友さんも一緒にどうですか?
長友:施設ツアー! ぜひ、お酒がOKな施設にしてくださいね(笑)。
※週刊朝日 2014年8月29日号より抜粋