今年は、出雲大社の60年に一度の遷宮の翌年で、御利益が増すと言われる「おかげ年」。この年に、高円宮家の次女、典子(のりこ)さま(25)、出雲大社宮司の長男である千家国麿(せんげくにまろ)さん(40)の婚約が内定した。
典子さまと千家国麿さんの婚約内定の発表は、神社界では特別な「ニュース」ではなかった。
第84代出雲国造(こくそう)で、出雲大社宮司の父尊祐(たかまさ)さん(71)と、母礼子(あやこ)さん(64)をはじめとする千家家が、高円宮家を支援していたのは、有名な話だった。
国麿さんは記者会見で、千家家の初代が天照大神の次男、天穂日命(あめのほひのみこと)にあたる、と切り出した。
「2千年を超える時を経て、今日を迎えたことに深いご縁を感じている」
皇室の祖先である天照大神の子孫に国を譲ったのが、出雲大社に祭られる大国主神(おおくにぬしの)だ。
現実の世で高円宮家と千家家をつないだのは、故高円宮さまだった。
「宮さまの学友に神職の人間がいたことから、高円宮家と神社界、出雲大社の千家家との付き合いが始まった。特に宮さまが亡くなってから、宮司夫妻が、久子さまを支援してきました」(神社関係者)
たとえば、久子さまがバードウオッチングで撮影した野鳥の写真でつづられたカレンダー「高円宮妃久子殿下 鳥暦」。今年は出雲大社が500部を買い取り、関係者に配るなどした。両家と交流のある関係者によれば、久子さまはこのことを指して、こう漏らしていた。
「千家さんがたくさん買ってくださるから、うれしいのよ」
昨年、全国の神職で組織する永職会(会長・千家尊祐宮司)の総会が、京都で開かれた。
その場で、千家氏は、皇室をお守りし、「久子妃殿下の活動を今後も一層、支えていこう」と呼びかけた。まさに神社界の重鎮ら挙げて、高円宮家を支えている。
「我々は、千家の国麿さんは、高円宮家のいずれかのお嬢様とご結婚なさるのかなと感じていました」(別の神社関係者)
久子さまはバードウオッチングなど、さまざまな活動の場に、長女の承子(つぐこ)さまや典子さまを連れていった。そこには国麿さんもいた。
※週刊朝日 2014年6月13日号より抜粋