7年後の開会式。クライマックスで聖火台に点火する最終ランナーは、いったい誰になるのだろうか?

 1964年の東京五輪では、原爆が投下された日に広島で生まれた19歳の早大競走部員、坂井義則さんが重責を担った。

「復興五輪」を掲げる2020年東京五輪だけに、前回と同じ考え方をしてみる。だが「3.11」に生まれた人は開会式時点で9歳。若すぎる。とすれば、過去の夏季五輪金メダリストか?

 五輪に造詣の深い慶大名誉教授の池井優氏に尋ねた。「同じ金メダリストでも、国民栄誉賞の3人は少し可能性が高いでしょう」。レスリングで五輪3連覇中の吉田沙保里は、「競技の除外騒ぎに翻弄されましたから、IOCへの皮肉にもなります(笑)」。

 柔道無差別級の山下泰裕氏は年齢と巨体がネックだ。「聖火を灯すには通常、長い階段を駆け上る。63歳になる山下さんには大変かも。恰幅もいいし……」。

 池井氏の推す最有力候補は、マラソンで日本女子の陸上競技に初の金メダルをもたらした高橋尚子さんだ。「走りのスペシャリストですし、48歳と年齢的にも実績的にも申し分ない」。確かに。

週刊朝日 2013年9月20日号