洒井法子さん(41)が12月に主演舞台で復帰することがわかった。世間を騒がせた覚醒剤事件から3年4カ月での復帰。執行猶予期間が明けると同時の復帰は早すぎるとの声もあるが、これは当初から言われていたシナリオ通り。新事務所もかねて言われていたところで決まり、すべてが万端に準備されていた感がある。にもかかわらず、スポーツ紙などは1面トップ扱い。ワイドショーも次々と後追い。のりピーが復帰するって、いまだそんなにニュース性が高いのかい!? と、無名の実力派女優たちは歯ぎしりしているに違いない。

 彼女の事件直後の報道はとにかくすごかった。イメージとのギャップが読者、視聴者の興味を引いたのか反響も大きかった。復帰へのオファーも、舞台だけでなく映画やイベントなど選択肢はかなりあったそうだ。今回選んだ復帰舞台は戦国時代もので、彼女はヒロインを演じるとのこと。私としてはヒロインより、ドスの利いた極道の姐さんものを見たい。

 夫婦でやっていたという「あぶり」。普通に生きていると知る必要もない専門用語も連日の報道で覚えた。そんな元ダンナとのただれた生活が明らかになり、生い立ちについていろいろ言われ、執行猶予中の学生生活も追いかけられ(今後、介護の勉強は続けるといっているが、実際どうなるのか)、息子クンの学校行事参加もほとんどチェックされた。最近も体育祭でのはしゃぎぶりが撮られるなど、子育ての様子もずっと報道されてきた。この3年の間にのりピーの私生活はほとんどさらされてしまった。

 それでもいまだなお、“のりピー”でいられるのか(そもそも41歳になって、のりピーと呼ぶべきかどうかだが)。彼女のかわいらしさは、今後、わざとらしさ、ウソくささに見えてしまわないのだろうか。まあ、そこを乗り越えるのが演技力で、それが復帰舞台で試されるのだろう。復帰一発目はとにかく注目度が高い。もともと舞台経験は少なく慣れていないだろうが、そこで観客を魅了できなければ今後の彼女への注目度とオファーは激減するだろう。

AERA 2012年10月15日号