岐阜県各務原(かかみがはら)市のアパートで9月30日、市内の東海中央病院に勤める臨床検査技師の片岡夕子さん(29)が、首を絞められ死亡しているのが発見された。
部屋が施錠してあったことから当初は自殺の可能性も考えられたが、事件発覚の翌日に殺人容疑で逮捕されたのは、職場の上司で同じ臨床検査技師の宮部高典容疑者(32)だった。“施錠”は偽装工作の可能性があるという。
取り調べに「交際上のトラブルで殺した」と供述しているという宮部容疑者は約1年半前、同じ職場の別の女性と結婚していた。つまり、職場内不倫だった。
2人の上司がこう話す。「宮部容疑者の部署は、検体検査の微生物検査室。片岡さんは心電図などの検査をする生理検査室という別の部署でした。階も違うので2人に接点は見当たらないし、まして交際しているなど誰も想像しなかった」。
しかも、「宮部容疑者の妻と片岡さんは同じ部署。7人の部署で、お互い接する機会も多かった」(病院関係者)というのである。
宮部容疑者は地元の名門校、県立岐阜高を卒業後、名古屋大学医学部保健学科に入学。卒業後の2002年から東海中央病院に勤務し、現在は主任だった。「いつも夫婦で出勤していて、仲は良さそうだった」(自宅の近所の住人)と、トラブルの気配はなかった。
一方、亡くなった片岡さんの知人は、「まじめで、いままで異性の気配を感じたことがない女性だったのに…」と驚く。親族がこう悔しさをにじませた。
「交際については両親も知らなかったらしい。昔から医療の道に進みたいと勉強を頑張っており、土日も資格取得に向け勉強していたのに。犯人が憎い」
※週刊朝日 2012年10月19日号