新内閣が発足し、自民党の党執行部の顔ぶれも一新した。次期衆院選で苦戦を強いられるとの予想がたつ民主党だが、首相経験者もその立場は危ういと、政治評論家の森田実氏(以下、森田)と時事通信社解説委員の田崎史郎氏(以下、田崎)は言う。

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田崎:北海道9区の鳩山由紀夫元首相は危ない。ある党の情勢調査では、自民の堀井学がかなりリードしているようです。北海道は前回、7区を除いて民主が総取りしましたが、今回は民自で分け合うのではないか。

森田:東北ブロックでは、小沢さんが岩手1区に達増拓也知事を出馬させようと口説いているようです。達増が出てくれば強い。

田崎:北関東ブロックでは、民主から生活に移った栃木4区の山岡賢次も苦しい戦いですが、比例復活の目はある。小沢ファンは、少なく見積もっても全国で300万~400万人はいると見られています。選挙後に何ができるかは別ですが、所属議員の延命を考えると、新党を作った意味はありそうです。

森田:南関東ブロックでは、野田首相の千葉4区が大注目。調査によっては、自民の藤田幹雄のほうが有利という結果が出ているものもある。野田首相はもともと選挙が強いほうではないので、大波乱が起こるかもしれません。

田崎:神奈川は自民はもちろん、みんなにも4区の浅尾慶一郎や8区の江田憲司など強い候補がいます。民主は1、2議席取れればいいほうかもしれません。

森田:東京は1区の海江田万里が苦しい。18区の菅直人前首相も自民の土屋正忠と互角の、苦しい戦いを強いられています。北陸信越ブロックでは、新潟5区がどうなるか。現時点では自民の長島忠美が優勢ですが、田中真紀子が文科相に起用されたことでどこまで巻き返せるかが注目ですね。

週刊朝日 2012年10月19日号