スタジアムでは当面見られなくなりそうなジェット風船 (c)朝日新聞社
スタジアムでは当面見られなくなりそうなジェット風船 (c)朝日新聞社
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 新型コロナウイルスの脅威はとどまることを知らない。中国の湖北省武漢市で発生したとされる未知の疫病は中国内だけですでに2000人を超える死者を出し、感染者は3万人以上を記録しているという。

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 その流行が世界に与えた衝撃は大きく、水際対策として少しでも感染の可能性がある者の渡航を禁止する国も出ていて、各スポーツのカレンダーにも影響を与えるなど大混乱をもたらしている。

 日本野球が生み出した最大の産物とも言える、『ジェット風船』も新型コロナウイルスの脅威にさらされている。ジェット風船とは、“ラッキーセブン”と呼ばれる7回の攻撃前に各球団のファンがそれぞれの応援歌に合わせて打ち上げる細長いゴム風船のことだ。

 そのルーツには諸説あり、1970年代の広島ファンが始めたとする説が有力だが、1985年の日本一フィーバーを境に阪神の代名詞的アイテムとなり、現在ではソフトバンク、DeNA、楽天など多くの球団で採用されている。7回のみでなく、勝利時の儀式として風船打ち上げを行う球団もあり、近年は近隣住民や球場施設等に配慮して飛距離が出ない工夫がなされ、球団ロゴなどの入ったものが販売されている。

 そのジェット風船は人が口をつけて空気を吹き込んで空に飛ばすため、感染拡大している新型コロナウイルスをまき散らす元になる恐れがあるとして、各球団が使用の自粛・禁止を発表する事態となっている。

 事情を考えればやむを得ない措置だが、各球団にとっては実に頭の痛い話となっている。

「球団としては大打撃です。ジェット風船は球場の販売物としては1番のドル箱商品だからです」と某球団グッズ担当者は想定していなかった緊急事態に頭を抱える。

「一部球場を除き、ホーム、ロードの両チームともにジェット風船を上げる光景が当たり前になりました。ジェット風船は使い捨てなので、その都度、購入する必要があります。ビールなどの飲食物のように天気などに左右されることもない、あらかじめ売上金額が想定できるありがたい商品なんです」

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ジェット風船の利益率は高い