あのアルバムを出した時に、ANNである企画をやりました。それは、往復葉書にニッポン放送の住所と番組の名前を書き、放送の最後に、屋上から風船につけて空に飛ばすという企画。風船は10個程。「風船に飛ばされたこの葉書を、もし拾った方がいたら、送り返してほしい」という企画。先輩の作家さんが企画したんですが、僕はそれを聞いて「風船なんか途中で割れるし、真夜中のこの放送を聴いた人が葉書を拾うわけねえだろ」と心の中で笑っていました。バカにしていました。
翌週。葉書を海辺で拾った人から葉書が帰ってきました。放送を聴いてた人がたまたま海で拾ったんだと。もう一人、返してくれた人がいました。
驚きました。僕はやる前から企画を心の中で笑った自分を恥じました。
成功する可能性が低ければ低いほどそこには夢がある。自分たちはそれを考えるためにこの世界に入ってきたんです。
今こそ、あの気持ちが大事だなと本当に思っています。あの気持ちが僕の宝物。
ニュースを見て、自分の宝物を思い出す人もいるんです! 寂しいけど。
と、そんなことを書きたくなりました。