■高齢者を孤立させない試み
仕事をがんばっていた高齢者が定年退職すると、人と接する機会が少なくなり、やりたいこともなくて日々に張り合いが感じられず、認知症やうつが発病しやすいという統計があります。
だとしたら、そうした高齢者の方に、「子どもの成長のために、今まで培ってきた得意分野を教えていただきたい」と頼むことは、高齢者を孤立させないことにもつながるでしょう。高齢者は人と接することで肉体的・精神的な健康を取り戻せるうえに、「教える」というやりがいも生まれます。
さらに子どもたちは知識豊富な高齢者にさまざまなことを教えてもらえ、保護者は安心して働けるようになるという。世代を超えて人間同士の関わり合いを組み込むことで、みんなの悩みが解消されて「win‐win」のサイクルがつくれているわけです。
「小1の壁」で保護者の困惑が増加している中で、このような成功モデルがあると、「解決できるものなんだ!」と希望がもてます。
ところでこの「すくすくスクール」、厚労省からも高く評価されているそうなのですが……厚労省は今後、このやり方をシステム化して、全国に広げてくれたりはしないのでしょうか?
それとも私たちは、自分たちの住む市区町村が厚労省管轄外で独自の学童保育を作ってくれるよう、首長さんのやる気に期待すべきなのでしょうか……?