うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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年長の息子も、もうすぐ卒園式です。幼稚園、長いようで短かったなぁ……と感慨にふける間もなく、わが家にもやってきました、「小1の壁」。
幼児期の子どもを保育園に入れられず、預けられる場所もないため、保護者が働けなくなる「待機児童」が問題になっています。その障害を乗り越えて保育園を卒園し、小学校に入ろうとした途端、再び「学童保育(放課後に子どもを預ける場所)に入れることができるか?」という「小1の壁」問題が出てくるのです。
また、保育園では午後7時くらいまで預かってくれるところが多いですが、公営の学童保育の預かりはたいて午後6時までです。
午後6時までというと、定時の5時に退社して、大急ぎで迎えに行って、やっと間に合うくらいの時間。つまり、また子どもの預け場所を探さねばならないうえに、預かり時間も変わってくるため、保護者は改めて働き方を考えなくてはなりません。
■公営と民間、それぞれのメリットとデメリット
保育園と同様に、学童保育にも公営と民間があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
公営だと、学校の教室や敷地内にあることが多いので安心ですし、料金も安価で利用できます。ただし定員が少なく、勤務日数や勤務時間、家族構成や学年などを考慮した厳しい審査が行われます。
審査でダメと言われたら、民間に頼るしかありません。しかし民営の学童保育は学校の外にあるので、入学したての1年生が果たして迷わずたどり着けるか心配ですし、料金も高くなってきます。
最近は、安全を考えて学校から送迎してくれたり、勉強やスポーツを取り入れてくれたりと、習い事とセットになっているような民間の学童も増えてきました。
しかし便利になればなるほど、料金は上がっていくわけです。大手塾が経営している、学習に重きをおいた学童保育の料金を数カ所調べたら、ひと月で6万円ほどしました。学童保育もついているのだから「習い事をしていると考えれば安い!」とホームページには書いてありましたが……いくら考えても、私の「小学1年生の習い事に6万円も出したくない」という気持ちが揺らぐことはありませんでした。
そもそも日本で共働き家族が増えた理由の一つは、子どもを育てるのにお金がかかるからです。子どもがずっと公立と国立の学校に通うと計算しても、1人につき1千万円以上かかるのです。もし私立にいけば2千万円を超えますし、さらに塾や予備校、習い事にもお金がかかります。
2019年の12月には、子どもに費やすお金が以前より増加した表れとして、16年間も変化がなかった養育費の算定表の相場が上がりました。