週刊朝日はこれまで、維新幹部と大阪府議団が対立する内情を報じてきた。だが、その内紛はより進化し、新局面を迎えている。維新の会幹事長・松井一郎大阪府知事(48)ら執行部は9月15日、日本維新に参加予定の国会議員らを大阪に呼び、大阪維新の本部で会議を開いた。党運営を定める規約などについて話し合っている最中、深刻な路線対立が表面化したのだ。
火種となったのは、国会議員団と大阪維新の会議員団との1票の"格差"だった。
日本維新の代表は次期総選挙までは橋下徹大阪市長(43)だが、選挙後は代表選を行う予定になっている。橋下氏は「代表選では国会議員と地方議員と首長(現在は計112人)で1票の格差を設けない。既成政党と違う意思決定のやり方をしたい」と主張したが、
「数千票で当選した地方議員と、10万票を得た国会議員を同列に扱えば、かえって1票の格差が生じてしまうのではないか」
松浪健太衆院議員(41)ら国会議員の一部が異を唱えたのだ。だが、これにカチンときた大阪維新の議員団が猛反発をした。
「国会議員と地方議員の1票の価値が同じで嫌なら、維新から出ていけや。松浪なんか、どうせ、よう出ていかんやろう。国会議員は特別やと思っているだろうが、維新にとっては112分の1や」(同会議員)
週刊朝日 2012年10月5日号