ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏も、晩年はヒザの故障との戦いだった。師匠である長嶋茂雄も松井に会うたびに「ウエイトを落とした方が良い」とアドバイスしていたという話もある。

「スピードとパワーが必要なメジャーでは、ある程度のウエイトは必要。しかし日本人の骨格からすると、時間と共に負担も大きくなってくる。そこが欧米人とは根本的に異なります。そこをどうやって調整していくかもメジャー挑戦の大きなポイント」

 マリナーズなどで活躍したイチローのようなスピードを全面に出すプレースタイルならウエイトは必要としない。むしろ可能な限り、贅肉などの余分な重みは削ぎ落としたい。しかし、鈴木のようなタイプはそうもいかない。打撃ではメジャー投手陣の強い球に負けることなく、打ち返さねばならない。技術とともに、体格、ウエイトも大きなポイントとなる。

「五輪でも優勝して、チームでも優勝できるように1年間頑張りたいなと思います」

 来るべき2020年に向け、鈴木のモチベーションは高まるばかり。五輪での世界一、そして悲願だった広島の36年ぶりの日本一を成し遂げてから胸を張って海を渡る最高のシナリオ。広島の「背番号1」を託された男は、すべてのタスクを完璧に遂行した上での最高峰への挑戦を目指している。

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