
年末年始は太りやすい。そう感じている人は少なくないだろう。正月太りや冬太りといった言葉はあるが、その逆はあまり聞かない。ダイエットが挫折したり、リバウンドが始まったりするのも、この時期にはよくあることだ。
この要因のひとつは寒さのため、脂肪を溜め込もうとして食欲が増したりすることである。が、それだけではない。クリスマスや正月にかけてのこの時期は、会食の機会が多くなるのだ。それにより、食事量が増えるばかりか、自分の食事のペースを乱されがちになる。
家族や友人、さらには久々に会った親戚やら知人やらに「太った」とか「痩せた」とか指摘され、自分の意志に関係なく、量を食べすぎたり、食べたくないものまで食べてしまったり。ダイエットをしている人、さらには痩せ姫と呼ばれる食や人間関係に激しい葛藤を抱える人にとっては、何かと面倒な時期というほかない。
実際、筆者が交流してきた痩せ姫たちからはよくこんな言葉を聞かされる。
「年末年始は食にまつわるイベントが多すぎてつらい」「誘いを断るのも後ろめたいし」「クリスマスもお正月もなくなればいいのにな」
そもそも、食生活や体型を思いどおりにコントロールすることは難しい。ダイエットにはリバウンドがつきものだし、拒食と過食とは隣り合わせだからだ。
■安藤プロボウラーの葛藤
そんな「自然の摂理」をちょくちょく考えさせてくれるテレビ番組が「ザ!世界仰天ニュース」である。12月3日の放送では、プロボウラー・安藤瞳選手が経験した葛藤が紹介された。
小3の後半にダイエットを始めた彼女はそこから拒食に陥り、小4では体重が12キロ(身長125センチ)まで落ちたという。ちなみに、その体重は2歳から3歳にかけての平均値。身長は7歳から8歳にかけての平均値であり、その年齢の平均体重は25キロ前後だから、半分以下である。
そんな彼女の治療にあたった医師は、家族にこう宣告した。
「過食には絶対になります。普通のことですから。この道を通らなければ、回復はしません。けっして、食べるのを止めないでください」