9歳の時に天狗岳(八ヶ岳)で登山を初体験。14歳で初挑戦のヒマラヤのチュクリンとカラパタールに登頂、15歳でキリマンジャロに登頂した大学生で登山家の野口絵子さん。中学時代はイギリス、高校はニュージーランドで学びました。留学時代の様子や、父である登山家、野口健さんと行うネパール支援や環境問題について聞きました。※前半<登山家・野口絵子が語る、父・野口健の存在「たまに会って、山を登りながらじっくりと語り合う時間が大好き」>から続く

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「実際に見ないとわからないでしょ」。父に連れていかれたイギリスの学校に、ワクワク
「小さな違和感を大切にしなさい」。これも父の教えです
ネパールに行くたびに、温暖化のスピードを目の当たりにします

「実際に見ないとわからないでしょ」。父に連れていかれたイギリスの学校に、ワクワク

――中学は海外留学を決意した経緯を教えてください。

 もともとは、日本で中学受験をするつもりでした。でも、自分の意思ではなく「みんながそうするから」。クラスのほとんどが中学受験をするので、それが当たり前でほかに選択肢はないと思っていたんです。ですから全然モチベーションが上がらなくて(笑)。勉強にも身が入らず、成績もあがりませんでした。

 そんなとき、父が「イギリスに行ってみないか」と言い出したのです。「明日出かけるよ」って。驚きましたね、家族と離れて海外で暮らすなんて「怖い、冗談じゃない!」と。でも、学校を休んで見学に連れていかれました。父は、いつも「行ってみないとわからない」「考えているだけではわからない」と、とりあえず私を連れていくんです。百聞は一見にしかず。これは、私も大きく影響を受けました。

 見学に行った中学校は父の母校でした。中高一貫校なのですが、生徒数が少なくてアットホームな雰囲気。古く趣のある校舎が素敵で、食事は全員そろって大きな食堂でとります。その光景を見て「まるでハリー・ポッターの世界みたい!」とワクワク! 家での食事はいつも母と二人だったので、こんなに大人数でごはんが食べられるっていいな、とすべての要素が楽しそうに見えたのです。すぐに「ここに行きたい!」と決めました。

「小さな違和感を大切にしなさい」。これも父の教えです

――そして立教英国学院中等部に進学されたのですね。中学時代はいかがでしたか。

 とても楽しかったです! それと同時に、本当にいろいろなことを考えた3年間でした。

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三宅智佳
編集者・ライター 三宅智佳

編集者、ライター。出版社で女性誌の編集を経て、フリーに。ファッション誌や書籍を中心に活動、現在は「AERA with Kids」誌面の編集・執筆を多く手がけるほか、WEBでも子育てや教育分野、著名人インタビューなど精力的に執筆を行う。生活まわりのグッズや本紹介も得意。

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