巨人最終年となった2005年の清原和博 (c)朝日新聞社
巨人最終年となった2005年の清原和博 (c)朝日新聞社
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 西武巨人などで活躍し、通算525本塁打を記録した清原和博氏が先月30日に行われた「World Tryout2019」(神宮)で監督を務めた。2016年に覚せい剤取締法違反で懲役2年6カ月、執行猶予4年の実刑判決を受け、来年6月の執行猶予明けを前にしての監督就任に、野球関係者やファンの間で賛否両論が飛び交うなか、本格的な球界復帰へ向けて第1歩を踏み出すことになった。そんな清原氏の現役時代のエピソードを改めて振り返ってみよう。

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 現役時代は「今度来たら顔ゆがめたる!」(1998年7月10日、阪神・藪恵壱の死球に怒り)、「ボールをしばき上げたる」(2000年5月3日、中日・山本昌から3ラン)、「俺にとっては、甲子園に神がいる」(2001年6月9日、甲子園の阪神戦で3打席連続弾)etc新聞の見出しを飾る語録に事欠かなかった清原だが、そんな中でも、今でもファンにとって、最もインパクトある言葉が飛び出したのが、2005年4月21日の阪神戦(東京ドーム)だ。

 2対10と大差をつけられた巨人は、7回に2死満塁と遅まきながら反撃。ここで打席に入ったのは、通算500号まであと「1」と迫った4番・清原和博だった。翌日から日程の都合で移動になるため、何としても本拠地で達成したいと“ラストチャンス”に燃えていた。

 これに対し、阪神・岡田彰布監督は、先発・井川慶に代えて藤川球児をリリーフに送った。

 2ボールから藤川の145キロ外角低め直球を見逃した清原は、4球目の146キロ直球を空振りしたあと、5球目のフォークを見送り、フルカウントに持ち込んだ。そして、運命の6球目、藤川の内角低め、136キロフォークに清原のバットは空を切った。ストレート勝負を信じて疑わなかった清原は激昂して「チ×ポコついとんのか!」の問題発言をかます。

「10対2で、ツーアウト満塁、3-2でフォークやで。ちゃうやろ。ケツの穴小さいわ」というのが言い分である。

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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