就任1年目で結果を出した巨人・原辰徳監督(C)朝日新聞社
就任1年目で結果を出した巨人・原辰徳監督(C)朝日新聞社
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 この1年、期待通り、あるいは期待以上の成果を残した球団や、今後につながるチームづくりが進んだ球団もあれば、収穫の乏しいシーズンを送ってしまった球団もある。その背景には選手の好不調、思わぬアクシデントや運といった要素もあるが、指揮官の力量による部分もある。そこで今年1年を振り返り、全12球団監督の働きぶりを査定したい。今回はセ・リーグ編だ。

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原辰徳(巨人) 評価:A

 監督復帰1年目にペナントを奪還した。坂本勇人FAで獲得した丸佳浩らが円熟期に差し掛かってきたというのもあるが、選手たちをうまく使いこなした。不調だった岡本和真の打順を一時4番から降格させ、復調させたこともマネジメントのうまさを感じさせた。

 一方で、想定外のことも少なくなかった。岡本の不調もそうだが、何よりエースの菅野智之のつまずきは痛かったはずだ。ブルペン陣に関しても、左腕の中川皓太以外は計算通りにいかないなか、シーズン終盤に戦力が整うように整備していたのは見事と言うほかない。

 日本シリーズでは、ソフトバンクに4連敗を喫して敗れた。選手層に明らかな差はあったものの、今後を担っていく若い世代を我慢強く起用するなど、目先だけではない戦いを見せていた。

アレックス・ラミレス(DeNA) 評価:B

 就任して以来の最高の成績を残した。シーズン序盤に10連敗を喫するなど苦しいスタートだったが、しっかりと立て直した。一時、首位の巨人に0.5ゲーム差まで詰め寄るなど、データを駆使した最新型の野球を展開した1年だった

 昨季は自身の信念に固執して頭でっかちになるところもあったが、コーチ陣の声を受け入れて正しい決断を下した。また、けが人も少なくはなかったが、それでもリスク管理をしっかりと行って、大きな痛手としなかった手腕も評価されていい。指揮官が常にポジティブであったから、その空気が選手にも伝わった。終盤の勝負どころで昇格したベテラン陣が活躍できたのも、指揮官の空気作りのおかげでもあろう。

 一方、投手起用については課題が残った。エスコバー、三嶋一輝が70試合以上登板をこなすなど、ブルペンの登板過多も一つだが、ルーキーをもう少し大事に使って欲しい。昨季の新人王・東克樹が今季の戦力になれなかったように、即戦力の投手を1年目から多く登板させるツケがあることに、そろそろ目を向けてもらいたい。

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