バファローズは前年の城東大会で準優勝を果たした強豪で、チームカラーは「猛牛爆裂打線」と呼ばれる強力な打撃。特に5番を任される牛山牛太郎(うしやま・ぎゅうたろう)は小学生とは思えぬ巨体、牛の角のようなヘアスタイル(ヘルメット装着時も角部分は露出)、「うっしししし」と笑う姿など非常に印象に残るキャラクターである。
一八が所属するファイターズとの対戦では、試合の途中からマウンドに上がった一八と対戦し、空振りを奪われ激怒。怒り爆発でユニフォームを破き、上半身裸の状態で立ち向かうも、あえなく三振となった。チームは初戦敗退となったが、2打席連続ホームラン、強烈なスイングでボールを破壊するなど、圧倒的なパワーを見せつけた。
続いて印象に残るのは、準々決勝で対戦した浅香エンゼルスの酒井光次郎(さかい・みつじろう)だ。なんといってもこのキャラの特徴は、小学生なのに「飲酒」をしている点。お酒を飲み始めるキッカケとなったのは、幼少時代に誤って飲酒してしまったことから。その際、「お酒の味が分かる」という理由で、光次郎が気に入った商品を実家の「酒井酒造」が販売したところ、それがものの見事にヒット。その後は商品開発のたびに、必ず会社の大人たちが光次郎の“チェック”を仰ぎ、ビジネスは成功するのであった。
最初の登場も、木の上でお酒を飲むシーンから始まり、通称も「よいどれ天使スラッガー」とユニークなもの。だが、打撃力を含め野球センスは相当なもので、城東地区の大会で初めて一八からホームランを放った男でもある。
一方で、若宮ファイターズとの対戦ではチャンスで一八に三振に切って取られる場面もあり、悔しさから小学生にして「酒断ち」を宣言。そこで、光次郎の飲酒に手を焼いていたエンゼルスの監督は、「お酒の中に含まれるアルコールは、人の判断力や反射神経を極度に鈍らせる効果がある」と、初めてお酒の負の面を説明するなど、周りの大人が飲酒小学生にやたら甘いのが気になるところだ。