駅伝ファンを楽しませるだけでなく、留学生自身のメリットも大きい。ライバルの多い祖国では埋れてしまう可能性が大いにあるからだ。選手は実戦で走らなければ有名にはなれず、強くもなれない。留学生たちが日本で実績を積むことで、その後のキャリア形成を可能にしている。
同時に、日本人選手たちにもメリットはあるはずである。日本人選手たちも高いレベルのランナーと勝負し、またチームメイトとして切磋琢磨して刺激を得ることできるからだ。確かにその効果はあっただろう。しかし、現実として日本の男子マラソン界がオリンピックを代表する国際舞台で太刀打ちできなくなったのも紛れもない事実である。
今後、留学生たちを「助っ人」として接するのではなく、今以上に「仲間」として戦い、彼らの走り、存在が“目立たない”ようにならなければ、日本長距離界のメダル獲得はさらに遠のくのかもしれない。新春、令和初の箱根路、留学生ランナーたちの“爆走”を楽しみにしながら、日本人ランナーの“意地”にも期待したい。