うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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みなさんが学生の頃、マラソン大会ってありましたか? それは楽しかったですか? 大嫌いではありませんでしたか? 私の周囲には、「マラソン大会が好きな人」なんて一人もいませんでしたが。
息子が通っている幼稚園は、はやくもマラソン大会が存在します。年長だと1キロ走るのだそうで、大人の私でもなかなか大変な距離です(私が運動不足という理由もありますが)。その長さを、小さな足でひたすら走るわけです。
でも、子どもがただただ走ることのメリットってなんなのでしょうか?
■子どもにとって運動は欠かせないが、なぜ「マラソン」?
もちろん、子どもにとって運動は、体や神経の発達、心の育成、将来の生活習慣のために決して欠かせないものです。問題は、なぜあえて「マラソン」でなければならないのか、という点です。幼稚園や学校には運動するための器具や遊具がたくさんそろっており、体育館やグラウンドもあります。
なのに、それを利用せず、「走るだけ」という、子どもにとってつまらないうえに苦痛を感じる運動をさせる必要はあるのでしょうか。
たとえば、体育でサッカーやバスケットの授業ならば、得点をとろうと楽しみながら運動ができますし、ドリブルやシュートの練習で「いつのまにか走っている」わけなので、走ること自体に苦痛を感じることはありません。
対して、ただ走るだけのマラソンだと、ひたすらに足と腕を前後に動かす動作しかないので、心肺機能を高める効果はつきますが、サッカーのようにボールを遠くまで蹴るために太ももの筋肉をつかったり、急な方向転換で体幹が鍛えられたり、というおまけがほとんどありません(当然ですがサッカーでも心肺機能が高まります)。