素晴らしい働きを見せたエスコバー(C)朝日新聞社
素晴らしい働きを見せたエスコバー(C)朝日新聞社
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 巨人が5年ぶりのリーグ優勝を果たしたセ・リーグ。来季に向けて各球団が補強に動いているが、改めて今シーズンの外国人選手の活躍度と来季に向けての展望について診断してみたいと思う。

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【巨人】
2019年外国人選手活躍度:B
来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績
110試合14勝17敗15セーブ16ホールド

・外国人野手合計成績
180試合114安打29本塁打79打点3盗塁

・外国人選手MVP:メルセデス
22試合8勝8敗0セーブ0ホールド防御率3.52

 期待された新外国人のクックとビヤヌエバがいずれも大きな戦力にはならなかったものの、シーズン途中から加入したデラロサが抑えにおさまり、また外国人選手の数の多さで上手くやりくりした印象だ。そんな中でもMVPに選んだのはメルセデス。支配下登録されて2年目の今季は夏場に少し成績を落としたものの、先発ローテーションをほぼ1年間守り抜き、チーム3位タイとなる8勝をマークした。まだまだ若く、試合をしっかり作れる先発サウスポーとして貴重な存在と言えるだろう。

 ただ来シーズンを考えると長年ブルペンを支えたマシソン、今季終盤に長打力を発揮したゲレーロも退団となり不透明な部分が多い。新外国人選手の見極めが例年以上に重要になりそうだ。

【DeNA】
2019年外国人選手活躍度:A
来季の外国人選手展望:B

・外国人投手合計成績
123試合6勝9敗0セーブ56ホールド

・外国人野手合計成績
283試合272安打74本塁打192打点0盗塁

・外国人選手MVP:エスコバー
74試合5勝4敗0セーブ33ホールド 防御率2.51

 投手ではMVPに選んだエスコバーとパットンがリリーフの中心として活躍。特にエスコバーはリーグトップとなる74試合に登板して33ホールドをマークし、不安定な投手が多い中でもセットアッパーとして見事な働きを見せた。野手でもソトとロペスの二人がチームの1位、2位となる安打数をマーク。ともに30本塁打もクリアし、中軸として申し分ない成績を残した。チームが2位に躍進した要因は外国人選手の働きによるものが大きかったと言えるだろう。

 来季はソトが複数年契約を結んでいることもあり残留が確定し、ロペスも残留の見通し。ロペスの年齢的な衰えは少し気になるものの、この二人が揃うことは大きい。気がかりなのがエスコバーの動向だ。残留の意思は示していると報道されているが、シーズン終盤にはメジャー球団も視察に訪れており、まだ不透明な部分は大きい。もし退団ということになれば大きな痛手であることは間違いなく、現時点での来季展望はBとした。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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