■広島(セ・リーグ4位)

補強ポイント:将来のエース、抑え、中軸候補

 最後の最後で阪神に抜かれて4年ぶりのBクラスに沈んだ広島。投手陣はエースの大瀬良大地が二桁勝利はマークしたものの、ジョンソンはベテランの域に入ってきており、野村祐輔も以前のような安定感がなくなっている。また抑えの中崎翔太が大きく成績を落としたことも痛かった。それなりに若手、中堅がいるため即戦力よりも将来のエース候補を確保しておきたい。ナンバーワンのスケールを誇る佐々木が第一候補になるだろう。佐々木を外したとしても安易に即戦力の確保に走らず、西純矢(創志学園)、鈴木寛人(霞ケ浦)、井上広輝(日大三)などスケールのある高校生投手を上位で狙ってもらいたい。

 下位で狙えるリリーフ候補としては村西良太(近畿大)などが候補になる。上背はないもののサイド気味から投げ込むストレートはコンスタントに140キロ台後半をマークし、小気味良いピッチングが特長。今のチームにはいないタイプなだけに、上手くマッチする可能性が高い。

 野手も菊池涼介の去就が不透明だが中軸は安定しているだけにこちらも将来性、スケールのある選手を狙いたい。それもリードオフマンタイプよりも、優先したいのは長打力だ。高校生では黒川史陽(智弁和歌山)、大学生では中村健人(慶応大)などが候補になる。黒川は長打力だけでなく脚力もあり、チームカラーにも当てはまる。同じ高校の先輩である林晃汰よりも攻守に安定感があるのが持ち味だ。中村は昨年秋に5本塁打を放った右の強打者。体の強さがあり、厳しい練習に耐えられそうな点でも広島のチームカラーには合っているだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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