10月26日、女子プロ野球チームの頂点を決める「日本シリーズ 女王決定戦」が開催される。
プロ野球や高校野球などに比べ、女子プロ野球の認知度は決して高いとはいえない。しかし、女子プロ野球には、男性選手顔負けのアメージングな活躍を見せる逸材が数多く在籍しているのをご存知だろうか。知られざる女子プロ野球の“最強”の選手をピックアップしてみた。
* * *
女子プロ野球リーグがスタートしたのは2009年。当初は関西地区の2球団だけだったが、現在は「京都フローラ」「埼玉アストライア」「愛知ディオーネ」「レイア」の4球団が活動している。年間の試合数は年度によって多少異なるが、今季の日程は全64試合。7回イニング制で、指名打者制を導入。春、夏、秋に行われる各リーグ戦で、優勝回数が多い上位2チームが「日本シリーズ 女王決定戦」に進むことができる(※「レイア」は2015年から育成球団となったため、現在はトップチームである残りの3球団でリーグ戦を争う)。
●前人未到の打率5割打者 通算打率はイチロー超え
女子プロ野球“最強”の選手として、真っ先に名前をあげたいのが“女イチロー”といわれている三浦伊織選手(27)だ。リーグ創設の2009年に「京都アストドリームス(現・京都フローラ)」に入団。1年目からレギュラーを勝ち取り、いきなり打率.369(リーグ2位)、打点27(リーグ3位)の成績を残す。2012年には打率.390、安打数48、盗塁17で、首位打者、最多安打、最多盗塁の3冠を達成。2014年には前人未到の打率.500を記録し、主要タイトル4冠に加え、ベストナイン、リーグMVPを獲得するなど、神がかり的な活躍でチームの優勝に貢献。プロ10年目の今季も打撃はまったく衰えることなく打率.374、安打数74とリーグトップの数字を残している。
三浦選手の魅力は、正確なバットコントロールとボール球に手を出さない抜群の選球眼の良さ。四球数も多く、出塁率が5割を超えた年が3度もある。打撃技術に加え、走塁センスも高く、2012年から7年連続で最多盗塁も獲得している。昨年までのプロ生活9年間で打率3割を下回った年は一度もなく、打率.350超えが7度(そのうち打率.400超えが3度)で通算打率は脅威の.388だ(ちなみにイチローのNPBの通算打率は.353)。
今年6月13日には日本の女子プロ野球史上初となる通算500安打を達成。プロ野球のレジェンド・張本勲氏もTBS系テレビ「サンデーモーニング」で「あっぱれ!」を送り、活躍を絶賛した。