とは言え、他の日本人選手も地元開催の五輪でのプレーを諦めるのはまだ早いだろう。
細かい規定があるものの簡単に説明すると、世界ランクは男女とも過去2年間のトーナメントで獲得したポイントを出場試合数で割った平均ポイントで決まる。そして直近14試合目以前の獲得ポイントは調整が加えられ減点されることがキモだ。
例えば石川遼(世界ランク110位)は、昨年の日本シリーズで2位タイとなり8.5ポイントを得たが、今週のデータを見ると調整が入り5.73ポイントと約32%減っている。つまり、トーナメントが古くなればなるほどに獲得ポイントが目減りしていく仕組み。過去2年間の……というのは、55週前のトーナメントで得たポイントは目減りし続けて0になることと同意となる。直近13週までの大会で好成績を挙げることが、高いランクにつくためには重要なのだ。
そこで男子を見てみる。今平の次には星野陸也(世界ランク94位)、石川が続くが、ここで注目したいのが彼らの平均ポイントだ。現在のところ今平が1.8852、星野が1.5577、石川が1.3984となっており今平と石川との差は0.4868となっている。
フィールドの厚さによって獲得できるポイント数は異なるが、国内男子ツアーは優勝すると16ポイントを獲得できる。実際、石川は連勝した日本プロゴルフ選手権と長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップで16ポイントずつを記録した。
石川の過去2年間の出場トーナメントは43試合となっており、獲得合計ポイントをこの43で割ったものが平均ポイントとなるが、割り算に使う試合数は最高でも56。国内ツアーで1勝すれば、単純計算ながら少なくとも0.2857(16ポイント/56試合)ポイントを上積みすることになる(目減りするポイントについてはここでは割愛する)。
上位にいる今平の成績も当然考慮する必要があるが、石川がこのまま安定した成績を残し、来季に2勝すれば日本人で松山に次ぐ順位になる可能性は十分に残されているということだ。これは星野にも言えることだし、もちろん今平が今後、優勝したり上位につければ今の位置をより確固たるものにすることもできる。