ポリフェノールは抗酸化作用が強く、ブドウの果皮や種に多く含まれており、赤ワインにもこれが多く含まれている。ポリフェノールの一種リスベラトロールはブドウの果皮にあり、ファイトアレキシンという抗カビ活性もある。この話はすでにした。

 そのリスベラトロールはLDL酸化防止、抗血小板凝集、血栓予防といった効果があるといわれ、さらにがんの予防にも役に立つとも考えられてきた。がんもまた活性酸素が遠因となっており、抗酸化物質が予防に役立つのでは、と考えられているためだ。

 ほかにも、ワインの定期的な摂取で認知症、とくにアルツハイマー病の予防効果があるのでは、ともいわれている。さらにワインには(ヒポクラテスが論じたことを裏付けるように)腸内細菌群を調整する作用が指摘されている。

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岩田健太郎

岩田健太郎

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著にもやしもんと感染症屋の気になる菌辞典など

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