このように、かさばる衣類は洗濯や使い捨てグッズでどんどん減らしていきたい一方で、なるべくなら持っていきたいものもある。それがシャンプー、リンスだ。
ビジネスホテルのアメニティーは男性の利用を前提としたラインナップであることが多く、それがために浴室内の備え付けは「リンスインシャンプー」。長髪の人が使おうものなら、翌朝、髪の毛がバサバサになって目も当てられない(体験談)。そのため使い慣れたシャンプーやリンスを小分けのボトルに入れていく、あるいは最近だと「お試し用」としてさまざまな種類のシャンプー、リンスが個包装で売られているので、そういったものを持っていくのも手だ。個包装のものなら、複数種類を持っていき「今日はどれを使おうか」と選ぶ楽しさがある。
一方で、諦める勇気も持とう。たとえば洗顔後のお手入れで、各種クリーム、美容液を塗っている場合、旅行中はそれらのうち、いくつかをお休みするとか、化粧にしてもマスカラやコンシーラーはやめておくとかすると、小さな努力ではあるものの、ちりも積もればで結構荷物が軽くなる。実際、夏場の旅は汗をかくし、マスカラが落ちてクマになりがちなので、むしろ使わないほうが幸せに旅ができるかもしれない。
このように、工夫次第で荷物はいくらでも軽量化を図ることができる。今夏は、軽装かつ身軽な旅にチャレンジしてみよう!(文/蜂谷あす美)
○プロフィール
蜂谷あす美(はちやあすみ)/1988年福井市出身。実家は越美北線沿いの電器屋。国鉄で車掌まで勤め上げた祖父がいる。高校時代の汽車通学時、鉄道の魅力に突如取りつかれ、鉄道雑誌をこっそり愛読し趣味をはぐくむようになる。慶應義塾大学入学後は、鉄道研究会に入会し、ノリと流れで代表まで勤める。大学卒業後は出版社勤務を経て、紀行文ライターに。25歳でJR全路線完乗を達成。雑誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)で「ミルクを飲みに行きませんか」「わたしの読書日記」連載中。2019年7月に初の著書『女性のための鉄道旅行入門』(天夢人)を上梓。