芸歴3年の夢屋は慶應義塾大学経済学部に在学中で、“高学歴芸人”としての横顔も持つ。同じ所属事務所の先輩であるカズレーザー(35)とはよく「クイズ飲み」とする間柄だという。
「同志社大学出身の高学歴芸人であるカズレーザーは、漫才師としてM-1グランプリでメジャーになってからクイズ番組でさらなるブレイクを果たしました。今のクイズバラエティ界における東大ブームはまだ続きますから、クイズができる高学歴芸人はかなり重宝されます。身近にカズレーザーがいてクイズ番組の奥義を学べるということはかなり優位に立てると思いますね。ただ、カズレーザーにしてもロザンの宇治原さんにしても、クイズ番組で結果を残している高学歴芸人は、普段からクイズの勉強をめちゃめちゃしてます。その努力を彼が惜しまずできるのかが次なるブレイクの分かれ目でしょう。夢屋くんは実際に話すと頭がいいというのはすぐわかるし、ビジュアルもいいので芸人にこだわらなくてもタレント性は高い。彼は『パンケーキ』では終わらないと思います」(前出の放送作家)
■カズレーザー登場時を彷彿
夢屋やカズレーザーが所属するサンミュージックは一発屋芸人の宝庫とも言われている。ダンディ坂野やスギちゃん、小島よしお、髭男爵がその代表的存在だ。しかし、「一発屋芸人の宝庫だからこそ、一発屋のマネジメントに長けている」と語るのは、民放バラエティのプロデューサーだ。
「ダンディ坂野さんもスギちゃんも実は地方の営業やCMではいまだに稼いでますし、髭男爵のルイ山田53世は作家業に進出、小島よしおも子供向けのイベントなどで大人気です。つまり、サンミュージックは一発屋芸人のセカンドキャリアをしっかりマネジメントできる事務所として定評があります。夢屋くんもパンケーキに次ぐネタを仕込んでいるそうですが、『パンケーキ食べたいがまだ定着してないから』と新ネタをおろすのを事務所が止めているとか(笑)。飛び道具のような芸人を量産してきた事務所だからこその冷静な判断だと言えますね」
TVウオッチャーの中村裕一氏は、夢屋まさるの実力とその可能性を次のように分析する。
「そのふわふわしたルックスと喋り方で、一見、キワモノのように見えますが、良くも悪くも最初に強烈なインパクトを与えて興味を引くというテクニックは、仲のいい先輩であるカズレーザーの登場時を彷彿させます。また、『パンケーキ』というキャッチーで普遍的なフレーズ選びには非凡なセンスを感じますし、つい先日もインスタグラムでファッションモデルを務めたことを報告し、これまでとはまったく違うイメージを披露して新たなファンを獲得することに成功していました。さらに、先の参院選についても『投票することで初めてコメントできると思う』という趣旨のコメントをツイッターでつぶやいており、政治や社会問題への関心の高さもうかがわせました。まだまだ開けていない引き出しがたくさんあると思うので、ここから年末にかけて要注目人物であることは間違いない」
「一発屋芸人の宝庫」から彗星の如く現れた夢屋まさるは「才能の宝庫」でもあった。その秘められたポテンシャルをいつ爆発させるのか、今後も注目していきたい。(藤原三星)