いまや元旦深夜の風物詩と言っても過言ではない「ぐるナイ おもしろ荘」(日本テレビ系)。この特番のために、熾烈なオーディションを勝ち抜いた無名の新人芸人たちがMCのナインティナインを前にネタを披露し、ブレイクを競うという番組だ。これまで小島よしおを筆頭に、横澤夏子、あばれる君、日本エレキテル連合、おかずクラブ、ブルゾンちえみらが無名時代に出演し、同番組を契機に大ブレイクを果たしている。成功例が多いため業界人からの注目度もダントツで高く、若手芸人ならばまずはこの番組の出演することがブレイクへの近道だと言われるほどだ。
そんな新人の登竜門的番組で今年ブレイクしたのが、夢屋まさる(21)である。ジェンダーレス男子の風貌で、きゃりーぱみゅぱみゅのヒット曲「原宿いやほい」に乗せて「パンケーキ食べたい パンケーキ食べたい」と踊りながら歌う若手芸人は、なぜブレイクのチャンスをつかめたのか。芸人事情に詳しい放送作家は次のように語る。
「『おもしろ荘』のためにディレクターや放送作家は各事務所の若手のネタをほぼ全部観るいきおいで、とても時間をかけてオーディションをします。なので番組の本編に出演できるだけでももの凄い倍率なのですが、さらに番組内でナイナイさんにハマって、次の仕事につながるというのは本当にごく一部です。夢屋さんの場合は中性的なビジュアルと、わかりやすい歌ネタというのが見事にハマりました。芸人ではないですが、タレントとして大ブレイクしたりゅうちぇるの枠がちょうど空いていたというのもありますが、今流行の原宿っぽさと『パンケーキ食べたい』というフレーズのチョイスが秀逸。まだ大ブレイクというところまではいっていませんが、どの番組に出てもしっかり爪痕を残すため、キャスティング会議では結構名前が出るようになってきてますね。先日もさんまさんの『お笑い向上委員会』に立て続けにゲスト出演し、腕の立つ吉本芸人との共演にも物おじせず、しっかり結果を残していました。あれだけ笑いに厳しいさんまさんですら彼には一目置くほど。もう一発ネタがハマれば、確実に大ブレイクにつながるでしょうね」