ふざけた応援歌を作られてしまった阪神・片岡篤史 (c)朝日新聞社
ふざけた応援歌を作られてしまった阪神・片岡篤史 (c)朝日新聞社

 中日応援問題、いわゆる“お前騒動”はネットが発端となり炎上状態だ。火力は強まり続け、ワイドショーにも取り上げられ、ある種の社会現象にもなっている。「お前」という言葉の語源まで紹介され、国語学者まで出てくる始末だ。

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 しかし過去には「お前」なんてかわいいくらいの、明らかな悪ふざけのような歌詞もあった。なかには、今回同様に現場サイドからのクレームなどで変更したものもある。逆に何のアクションもなく使い続けられたものもある。今回はそういった応援歌で印象に残ったものの一部を紹介してみたい。(選手名の所属球団は当該応援歌が歌われていた時代)

「右投げ左打ち 実家はヒノキ風呂 リフォーム…」(元阪神・片岡篤史)

 阪神在籍中、野球番組内で実家をリフォームしたことが取り上げられた。どこで間違ったか、浴槽をヒノキ風呂に改修した、という噂が流れて歌詞に取り入れられた。シーズン中は我慢していたが、よほど耐えきれなかったのだろう。オフにヒノキ風呂でないことをカミングアウトして、ようやく歌詞が変わった。

「焼肉絵理花 日暮里駅前 歩いて5分の一等地」(元日本ハム・森本稀哲)

 帝京高出身の森本の実家は、東京都荒川区で焼肉店を経営している。その店名が絵理花。味も確かで関係者が数多く来店することもあり、ファンの間では有名なスポット。森本の明るいキャラクターもあり、冒頭の歌詞が採用された。これも森本本人が、野球とは関係ないので、とお願いして使用されなくなったらしい。確かに応援というよりCMである。

「小笠原村には海がある 小笠原村にはイルカがいる 小笠原村には夢がある 毎日サバイバル」(元日本ハム・小笠原道大)

 現役時代「ガッツ」の愛称で強打を誇った小笠原。小笠原村(諸島)とかけて歌われ始めたが、当時は何の関係性もなかった。しかし、この歌詞がきっかけで、ファンは小笠原村周辺に生息するイルカのぬいぐるみを振って応援するようになった。そのうち球団側もイルカとのコラボグッズなど発売。99年には小笠原本人が観光親善大使に就任した。

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