チリ戦で険しい表情を浮かべる久保建英 (c)朝日新聞社
チリ戦で険しい表情を浮かべる久保建英 (c)朝日新聞社

 2020年東京五輪を1年後に控えるU-22日本代表世代にとって、2019年コパアメリカ(ブラジル)は重要な試金石だ。15年、16年大会連覇中の南米王者・チリとの初戦(現地時間17日・サンパウロ)に向け、森保一監督は「最低でも勝ち点1を拾っていけるような粘り強い戦いをしたい」と語っていたが、そのハードルはあまりにも高かった。

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 U-22世代が立ち上げからベースにしてきた3-4-2-1の布陣ではなく、チリの3トップを想定して4-2-3-1システムで挑んだ日本。序盤こそ互角の内容に持ち込めたが、徐々に相手に試合を支配されるようになる。前半終了間際のCKからの1失点目が大きなダメージになり、後半9分の2失点目でほぼ勝負が決まってしまった。

「相手の方がうまくサッカーをやっていたし、地力の差だったと思います。(1失点目の)セットプレーさえなかったら、チリも精神的にもうちょっと焦って、ああいうふうにはならなかったと思う。でもこっちは決めるところを決め切れなくて、やられるところでやられた。そこに差があったかな」と日本代表117試合出場を誇る岡崎慎司も神妙な面持ちで語ったが、0-4の惨敗は日本代表の「南米での弱さ」を如実に表したと言ってもいいだろう。

 2018年ロシアワールドカップで16強入りしてから1年。森保ジャパンにとってチリ戦は17試合目だったが、本格的なアウェー感を味わった経験は2月1日の2019年アジアカップ(UAE)決勝・カタール戦(アブダビ)だけ。大半はホームアドバンテージの中で戦う親善試合だった。

「キリンチャレンジカップを国内で開いてもらえるのは有難いけど、6月のトリニダード・トバゴやエルサルバドルのような格下相手と日本で戦っていてもチームは強くならない。もっとレベルの高い試合をしたい」と、あるA代表の主力選手も話していたが、そのマイナス面がいきなりコパアメリカという難易度の高い大会で出てしまったと言わざるを得ない。

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