また、おつまみなんかをいっしょに食べることで結局太ることもあるそうだ(Traversy G, Chaput J-P. Curr Obes Rep. 2015;4(1):122–30)。
「締めのラーメン」とかはやばい。
さて、アルコールから造られたアセトアルデヒドは末梢血管を拡大させ、血液は下がり、皮膚が赤くなる。二日酔いもアセトアルデヒドの作用だ(後述)。
日本人はアルコール分解酵素が弱いとよく言われるが、正確にはアルデヒド脱水素酵素の活性が弱いのだ。アルデヒド脱水素酵素にはALDH1とALDH2があり、漢民族、日本人などでは約半数が機能の弱いALDH2を作っている。
アセトアルデヒドまではちゃんと作るけど、アセトアルデヒドは分解されにくいので、顔が赤くなり、二日酔いにもなるというわけだ。日本人は欧米人に比べて酒に弱いと言われる所以である。
ちなみに、嫌酒薬のジスルフィラム(アンタビューズ)はアルデヒド脱水素酵素を阻害し、「わざと」二日酔いになりやすくする薬だ。
他にも抗菌薬のメトロニダゾール(フラジールなど)にアンタビューズ効果がある。医者にかかって薬をもらったときは、下手に飲酒はしないほうがよい。
また、アルコールはバソプレッシンというホルモン分泌を抑制する。バソプレッシンは抗利尿ホルモンの一種で、そのためにアルコールを飲むと利尿作用がでる。
ときに、酵母もアセトアルデヒドを作る。エタノールをアルコール脱水素酵素を使い、アセトアルデヒドに変えるのだ。また、別のアルコール脱水素酵素を使ってアセトアルデヒドをアルコールに変えている。
ただし、両者の反応は全体的に見るとアルコールを作る反応のほうが遥かに優勢で、結局アルコールが最終産物となる。
■脂肪分が多い食べ物を食べると酔っ払いにくくなる
アルコールは、酵母のエネルギー産生の副産物だ。エネルギー源たるATP(アデノシン三リン酸)を作るのだ。