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42歳で電撃結婚、翌年には高齢出産。激動2年を経た女優・水野美紀さんが、“母性”ホルモンに振り回され、育児に奮闘する日々を開けっぴろげにつづった連載「余力ゼロで生きてます」。今回は「動物を飼うこと」について。
* * *
「ハムスター飼いたい」
急に夫が言い出した。
近い将来、小学生になった我が子に、
「犬飼いたい」
とせがまれるのは育児あるあるだと認識していたので、対策をぼんやりと想像したりしていたものだが、まさかハムスターとくるとは。しかも夫から。
絶対にネットで動画か映画か何かを見て感化されたのだ。
私が渋い顔をしていると、
「ほら、ハムスターって、そんなに長生きしないじゃん」
と夫。だから手軽に飼えるんじゃない? ということが言いたいのだろうか。
「てことは、花壇の一角にハムスターのお墓ができるわけだね」
どうだ。
葬式を済ませるまでが飼育である。そこまで考えていたか、夫よ。
「俺が一人暮らししてた家の植え込みにはいっぱいお墓があるからね、実は」
初耳だ。
どういうことだ。そこまで経験済みだと言いたいのだろうか。
いっぱい? いっぱいって、どういうことだ……。