いま、大きなテーマになっている「働き方改革」に逆行するという声も出ており、法令を改正するなどして、「15週ルール」をもっと柔軟に適用できないかと望む大学教員は少なくない。毎年、月曜日は本来の祝日に加えて、日曜日と重なった祝日の振り替えで、休みの日となるケースが多い。それゆえ、月曜日に授業を入れることを好まない大学教員もいる。補講などがイレギュラーに行われ、スケジュールを立てにくいからだ。

『大学図鑑!』監修者で学生の意識、動向に詳しいオバタカズユキ氏はこう話す。

「学生はいまとても忙しい。それは授業のコマ数が多すぎて、しかもみんなまじめに出席するからです。厳しい経済状況にあって、多くの学生はアルバイトでクタクタになりながら、授業に出ています。サークル活動とか、飲み会とかに参加する余裕もなくなった。授業のコマ数を思い切って減らして、学生がもっと自由に学生生活を送れるようにしたらいい。学生が予習・復習含めそんなにたくさん勉強をこなせるものではないことを、大学教員は知っているはず。もっと緩くていいでしょう」

 今回のようにゴールデンウィークをつぶすような「15週ルール」が改められる動きはない。大学はお上の言うことには逆らえず、従うばかりだ。

 大阪市立大はウェブサイトにこう記している。

「近年、祝日の増加・変更や大学行事に伴う休講措置等により、授業・試験にあてることのできる日数が減少しています。そこで、本学では振替授業(・試験)日を設けるとともに、さらに回数が不足する場合は、休業期間や研修期間に授業・試験を実施する場合があります」

 2020年になると、関東圏の大学ではゴールデンウィークが例年以上につぶれてしまう可能性が高い。東京オリンピック開催への対応である。

 明治大はこんな恐ろしい告知を出した。

「2020年度学年暦【春学期】の主な変更点
 東京オリンピックの開催期間中(2020年7月24日から同年8月9日まで)は授業及び定期試験を実施しないで済むよう以下の変更を行います。
1.全体の授業スケジュールを東京オリンピック開催期間と重複しないよう繰り上げます。
2.ゴールデンウィーク中の全ての祝日において休日授業を実施します。」(大学ウェブサイト、2018年7月26日)

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GWよりも五輪優先?