たとえば、京都大はこう記している。
「4月30日(火曜日・休日)及び5月2日(木曜日・休日)は授業日程の確保及び学内行事の都合上、授業実施日とする」(大学ウェブサイト)
休日を「確保」して、大学設置基準を順守するわけである。
おもな大学の学年暦(2019年度の授業スケジュール)を調べてみた。ゴールデンウィーク期間中の授業実施日は次のとおり。
●6日間
南山大(4月29、30日 5月1、2、3、6日)
●5日間
龍谷大(4月29、30日 5月1、2、6日)
●4日間
国際基督教大(4月29日 5月3、4、6日)
立教大(4月29、30日 5月4、6日)
●3日間
東京大・教養学部<駒場キャンパス>(4月27、30日 5月2日)
一橋大(4月29、30日 5月6日)
立命館大(4月29、30日 5月2日)
学習院大(4月29、30日 5月2日)
中央大・文系学部、国際情報学部<多摩、市ケ谷田町キャンパス>(4月29、30日 5月6日)
甲南大(4月27、30日 5月2日)
福岡大(4月29、30日 5月6日)
●2日間
京都大(4月30日 5月2日)
東洋大(5月4、6日)
駒澤大(4月29日 5月6日)
●1日のみ
東京外国語大、お茶の水女子大、横浜国立大、神戸大、青山学院大、慶應義塾大、上智大、専修大、法政大、明治大、早稲田大、中京大、同志社大、関西学院大(すべて5月6日)
●なし
東北大、東京工業大、金沢大、名古屋大、広島大、首都大学東京、大阪市立大、北星学園大、東北学院大、津田塾大、西南学院大
「15週ルール」を守るための連休対策は、次のように分類される。
(1)休日にできる限り授業を行う(休日授業日が3日間以上)。補講や他の曜日への振り分けを減らす。
(2)休日に授業を実施する回数を抑える(同・1、2日間)。補講や他の曜日への振り分け、あるいは、本来は休日である土曜日への振り分けを行う。
(3)休日に授業を行わない。補講、他の曜日への振り分けを最大限に増やして、15週の帳尻を合わせる。たとえば、大阪市立大は5月6日(月=休日)を暦通り休みにして、この日の授業を5月8日に充てている。
大学関係者(学生、教職員)のあいだでは、こうした「15週ルール」厳守の評判は良くない。
専修大法学部の岡田憲治教授は、半期15コマ厳守が大学にとって大変な負担になることについて、次のように話す。
「教員にはこれに『追試採点』や『オープンキャンパス』などが加わり、夏休みは研究をする期間としてはギブアップする皆さんが多いです。一方、前期15コマを厳守しないで、現場の実情を考えて上手に弾力的運用をしている大学もいくつかあります。それなのに、やはり多くの大学では、ひたすら『何か』におびえて忖度し、教務課の職員は疲弊します。『補助金を減らされる』ことへの恐怖を通じた、自発的服従です」