球春が到来し、プロ野球ファンが待ち望んだ季節がやってきた。各チームの消化試合数は11~12試合で(11日試合終了時点)、長いシーズンを考えれば、まだ「序盤戦の序盤」を終えたにすぎない。だが、昨季セ・リーグ3連覇の広島が最下位、パ・リーグ最下位の楽天がソフトバンクと並んで同率首位。いずれも予想を裏切る展開で、波乱の幕開けとなっている。
そのなかで注目されているのが、昨季、4年連続でリーグ優勝を逃した常勝球団・巨人だ。勝利が至上命題である今季の指揮は、3度目の就任となる原辰徳監督に託された。昨年10月に就任が発表されてからは、シーズンオフに広島から丸佳浩外野手、西武から炭谷銀仁朗捕手をFAで獲得。さらに、中島宏之内野手や、メジャーから日本球界に復帰した岩隈久志投手など大型補強を断行した。
球団も、開幕前に東京ドーム内に原監督の特設コーナーを設置。選手を出迎える時の名物ポーズをかたどった「グータッチ像」を4年ぶりに復活させ、公式ラインスタンプでも原監督のキャラクターに「グータッチ」を採用した。「原カラー」の打ち出しに、積極的に取り組んでいる。万全の態勢で挑んだ2019年シーズンは、11日現在で7勝4敗でリーグ2位と、上々のスタートだ。
ところが、巨人ファンの間では今、意外なことが話題になっている。待ち望まれた原監督のグータッチが、今季になってから“封印”されているのだという。
球団関係者に理由をたずねても「え、そうなんですか?」と意外な様子。そこで今季の巨人戦の試合映像をチェックしてみたが、たしかにグータッチは確認できなかった。
今季、グータッチに最も近づいたのが9日の中日戦だ。9回に、この日2本目の本塁打を放ったビヤヌエバの打撃に、原監督は両手でガッツポーズ。そのままビヤヌエバとのグータッチが実現するかと思いきや、タッチ直前に指を開き、結果は「パータッチ」。初披露は幻となった。
4日の阪神戦では、プロ入り初登板で6回1失点の好投でベンチに下がったドラフト1位ルーキーの高橋優貴投手に対し、宮本和知コーチがグータッチで出迎えた。その様子を見えていた原監督は、伝統の一戦で大仕事をした若者に最大級のお出迎えをするかと思いきや、なぜか高橋がいる方を見て「変顔」。それを見た高橋が苦笑いする様子が、テレビ中継のカメラに捉えられていた。