「彼女『結婚しない』って言っていたんですよ。それが、やはりすることになって。ずいぶん長くつき合っていたと思います。結婚後はすぐに名刺の名前を変えてました。やっぱり、結婚したかったんだと思いますよ。だってすごくうれしそうだったから」
橋本さんが長い交際を経て、57歳で結婚に至った心境の変化とは? それまでの人生を追いながら聞いてみた。
■夫から愛されていないように感じてしまった
「2010年に母が80歳で亡くなったんですが、そのときに弟から『このままずっと1人でどうするんだ!』って言われて。弟にしてみれば姉を心配してのことなんですが、この言葉にはっとしたんです」
橋本さんは40歳で離婚を経験していた。両親は前の夫のことを気に入っていたのにも関わらず、相談もせず、別れた。
「父は大切に思っていた息子(前の夫)と一方的に縁を切られてしまったわけです。ひどいことをしてしまいました。弟に言われて気づいたというのもありますが、親を安心させたいという気持ちはずっとあったんです。『1人はイヤ、結婚したい!』、私の中でくすぶり続けていたことでした」
27歳のとき、恋愛結婚で同い年の男性と結婚。彼は建築家だった。