幹部「いや、一人しか」
市長「誰や? 今どこにおんの?」
幹部「席ですか?」
市長「担当は今おんの?」
幹部「今、おりますけど、今、出てます」
市長「ずっと同じとこ担当してんの?」
幹部「いや、色んな業務をやってますから、その中の一つとして国の受託として」
市長「とりあえず、そいつに辞めてもらえ。辞表持ってこい」
幹部「えぇ……」
市長「辞表取ってこい。とりあえず。当たり前じゃ。辞表出されへんねんやったら7年分給料払え。7年間の給料とったらそこの払えるやろ。その金をもとにして話まとめたら? 何が何でもまとめろ」
幹部「はい」
市長「出て行ってもらえ、とにかく。工事進めへんがな! 辞めたらええねんそんなやつ。誰か知らんけど。辞表出させろ。辞表出させろ。嫌やったら自分が出せ! 責任は取ってもらう。辞めるだけじゃすまんで、金も出せ。甘い甘い。どこの仕事しとんねん、ほんまに。楽な商売しやがって。値段交渉してもすぐにまとまらんことは、初めから分かっとるんや7年前から。最後の1軒残したら、その1軒が2~3年かかるやないか。はじめから分かっとることやそんなもん。金積んだらええんや! 裏金出したれ。自分で出せ。すぐ取ってこい、合意書を。どんな手を使ってでも。みんなで家売ったらええがな、土木の連中で。ローンあったら知らんけど、そういう話じゃこれは。話まとめるか辞めるかどっちかや。責任は取ってもらうから。絶対許さん。7年間も放置しやがって、ほんまに。クセになる。クセなっとるけど。わかっとることやこんなん、どないする気やってん。危ないがな。人が死んでるから広げんねんやろうに。私が市長になったとき、いつか聞いたら『再開発の完成と同時です』と。完成してもうたがな!」
幹部「国の所長が来られたとき……」
市長「再開発のときに広がるって言ってきた。じゃっかん前後するにしても、明石の駅前がリニューアルしたときに2号線も広がる予定ですって言うてきたがな。広がってないがな! そこを使ってない、単なる権利書やねんから金だけの問題や。そこの権利をなんぼで買うかの問題や。値段だけの問題や。折り合えへんかったら、その手続きをして粛々とやったら終わってるんや。最後に1軒ならできひんわけ?」