マルテもメジャー通算4年間で30本塁打をマークした右打者。昨年は大谷翔平(エンゼルス)のチームメイトとしてプレーし、平野佳寿(ダイヤモンドバックス)からも弾丸ライナーのホームランを放っている。ビヤヌエバ、バルガスに比べるとパワーは少し劣っているが、タイミングをとる動きが小さいのは日本の野球に向いているように見える。長打を求めて引っ張り専門にならずに、センターから右方向へも打てる対応力が備わってくれば中軸としての活躍も期待できるだろう。
打者でもう一人、大きな注目を集めているのが王柏融(日本ハム)だ。台湾球界では2016年、2017年と2年連続で打率4割をマークし、2017年には三冠王にも輝くなど台湾の『大王』の異名をとる左打者だ。昨年は成績を落としたものの、それでも3割5分を超える高打率をマークした。2017年には31本塁打を放っているが、タイプとしては中距離バッター。コンパクトで鋭い振り出しが持ち味でバットコントロールの良さは出色だ。外国人打者は内角の速いストレートに苦労することが多いが、王は内からきれいに出るスイングの軌道のためその部分に対する不安も小さい。2017年に行われたWBCの壮行試合で日本代表の投手陣を3安打3打点と完全に攻略しているのもプラス材料だ。レアード(ロッテに移籍)の穴を埋めるというよりも、ホームランにこだわらずにアベレージにこだわった方が良い結果に繋がる確率は高くなるだろう。
一方の投手で最も実績のある選手はクック(巨人)になるだろう。2012年には71試合に登板して14セーブ、21ホールドをマークし、オールスターにも選ばれたリリーフ投手だ。少し変則的なテイクバックが特徴のフォームで、手元で動くスライダーとツーシームで空振りを奪う。気がかりなのが故障からの復活途上だというところ。2016年にはトミー・ジョン手術を受けており、昨年3年ぶりにメジャー昇格を果たしたが19試合に登板して防御率は5点台と不安定な内容だった。シーズンに向けてどう状態を上げていけるかに注目したい。
クック以外にも今年はリリーフの新外国人投手が多い傾向で、バーベイト、ハンコック(ともに日本ハム)、レイビン(ロッテ)、ブセニッツ(楽天)、マクガフ(ヤクルト)、ジョンソン(阪神)などの名前が挙がる。この中でも面白そうなのがハンコックだ。193センチの長身だが投げおろすフォームではなくスリークォーター気味の腕の振りだが、球持ちが長く150キロ前後のストレートは威力十分。下半身の使い方もゆったりとしており、わずかにクロスに踏み込んでくるのも打者にとって恐怖感がある。昨年初めてメジャーに昇格して通算10試合に登板しただけと実績には乏しいが、セットアッパーとしてブレイクしそうな予感が漂っている。