米国ホワイトハウスの「We the people」という請願サイトで、昨年12月8日に始まった「大浦湾辺野古の埋立を県民投票が実施されるまで停止せよ」(Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa)と求める提案に、昨年12月8日から今年1月7日までの30日間で20万人超の署名が集まった。30日間で10万人の署名が集まれば、米政府が60日以内に何らかの回答を行うことになっている。
タレントのローラさんがインスタグラムで声を上げたり、締め切り間際に、あの「クイーン」のギタリスト、ブライアン・メイさんも署名を呼びかける緊急声明を出して、大きな話題になったが、おそらくそんな援護射撃も不要だったかもしれないと思うほど多くの署名が集まった。
そして、ホワイトハウス前には、アメリカの市民が集まってデモまで行われているニュースも流れ、世界に広がる賛同の渦にうれしい気持ちになった人も多いだろう。
今後は、アメリカ政府がどう答えるのかが、注目される。回答期限は60日以内だから(数え方が厳密にはよくわからないが)、期限は、概ね3月7日ということになる。
◆安倍政権が心配する署名運動に対するトランプ大統領の反応
そこで気になるのが、米国の対応だ。米政府は、沖縄の米軍基地に対する日本の世論を非常に気にかけている。その意味で、今回の署名活動には大きな関心を持っているはずだ。これだけ盛り上がったので、どういう回答をすれば、沖縄や日本の世論の反感をさらに高めることなく、平穏な状況に持って行けるのかということを専門家による分析などを行いながら慎重に検討しているだろう。
ただし、これは、従来の米国政府であればという話だ。最後の良識派と言われるマティス国防長官が辞任した直後にこの事態が起きたことで、これまでのような米国の対応が期待できないかもしれない。もしも、トランプ大統領がこの件を何らかの形で利用しようとすれば、問題は意外な方向に発展する「恐れ」がある。それは、安倍政権にとっての「恐れ」だ。