今回はとにかく丁寧に作るということを心掛けましたね。
去年の「眩 ~北斎の娘~」では、専門家を呼んで、資料も徹底的に調べて江戸時代の画家・作家にズームしたんですが、スタッフもすごく楽しかったらしいんですよね。「ああ、そうか、画家のアトリエってこんな感じだったんだろうね」「こんな風に仕事してたんだろうね」っていうのをいろんな資料から想像して作るっていうことが相当クリエイティブだったので、楽しかったとスタッフも言ってくれたし、俳優さんも新鮮だったんですって。
これでいろいろと賞もいただいて評価していただいたので、今年は江戸時代のまちづくりにチャレンジできたということがあります。
第1話では佐々木蔵之介さん演じる大久保藤五郎が上水の整備を命じられます。
当時の江戸はずぶずぶの沼地でしたからどう水を管理したか。水捌けをよくして、なおかつ飲める真水を引いたかっていうことが重要になります。
番組内では、実際に許可をもらって至るところに水道を実際に掘ってます。日本大学の建築の教授の方に来てもらって江戸時代の土木建築はどうだったんだろう、というのを相当本格的にやっています。完全に工事現場でしたね。
第2話では柄本佑さん演じる橋本庄三郎が金貨の小判造りを命じられます。
金貨の方も、鋳型に溶かして延べ棒にして、切り取ったのを打ち延ばして、模様を入れて刻印をつけてっていう作業を全部やりました。信じられないくらい労力をかけました。金貨、小判って時代劇ではよく出てきますが、それがこんな風に作られていたんだっていうのは、初めて知りましたよね。
また、今回誰も見たことがない、江戸の町が出来上がっていくところを描くので、CGも相当時間みて作ったんですよ。途中までできている江戸の町を、家康たちが見下ろしているという情景があるんですが、そんな画なんて今までNHK作ったことないです。城が半分できてて後ろに天守閣が建設中だっていう、見たことのないシーンをお見せできるかなと。