人々がイベントにかけるエネルギーやお金、時間などの資源は限られるので、人気があるイベントがそれを吸引することで、時期が近い他のイベントが衰退していくことがあるという。日本ではお正月以上に参加率が高いクリスマス(※博報堂調べ、2015時点)だが、その手前にハロウィーンが2000年代中盤から定着したことによる影響は少なくないと見ている。恋人たちのクリスマスから、仲間とのハロウィーンへ……。その変化は"恋愛のモード"も影響していると話す。

「クリスマスの重要な消費要因である男女交際が、SNSによって365日、24時間つながる社会の中でロマンチックなものから、よりフラットで肩の力が抜けたものに変わっています。常時接続しているので、イベントに恋愛のピークを合わせるのも不自然になり、この日のために高額なディナーやホテル、プレゼントを用意することも若者は無駄だと感じている。気に入らないプレゼントはすぐオークションサイトで売ってしまうかもしれません。収入が減ってやりたくてもできないという面もあるかもしれませんが、バブル期の男女交際に比べるとまっとうな社会になったなと感じます」

 クリスマスといえばチキン。コンビニ各社がクリスマス限定のフライドチキンセットを売り出すようになり、競争が激化。「ケンタッキー・フライド・チキン」は昨年12月23日~25日の3日間で過去最高となる60億円の売上を達成している。だが、かつてはクリスマス時期にピークがあった『フライドチキン』というワードの検索数は2016年を境にピークが低下、通年へ分散傾向にある。

 変わったのは、社会のムードだけではない。年末商戦もここ数年で大きく変化している。

 アメリカでは11月の第4木曜日の感謝祭が終わった翌日からブラックフライデー、次の月曜はオンラインショップでのサイバーマンデーと大規模なセールが始まる。日本でも16年あたりから家電量販店や大手スーパーがブラックフライデーを導入。クリスマス商戦の前倒し、フラット化が起きていると國田さんは分析する。

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クリスマスが遅れてくるお祭り化…