これに対し、マルティネスは「二塁ベースから一瞬足が離れたからアウト」と“隠し球アウト”を主張。高橋由伸監督もリクエストを要求した。
リプレー検証の結果、直前のセーフのシーンは、はっきり映っていたが、問題のシーンを映し出したカメラは1台だけ。しかも、引き気味のアングルで、よくわからなかったことから、“証拠不十分”で判定どおりセーフになった。
この間、スタンドやテレビ桟敷のファンは、一体何が起こったのかさっぱりわからず、目を白黒。最初のセーフ判定に対して高橋監督がリクエストを要求したと勘違いする者も多く、「何の問題もないのに、なぜリクエストを?」の疑問も出るなど、長い中断に困惑気味だった。
育成から支配下登録され、デビュー戦となった7月27日の中日戦(東京ドーム)でいきなり初打席初本塁打を記録するなど、出番は少ないながらも存在感を示したマルティネス。19年も攻守にわたってファンを楽しませてくれそうだ。
●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2018」上・下巻(野球文明叢書)。