ロッテ

2018年外国人選手活躍度:C

来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績

71試合14勝8敗1セーブ10ホールド

・外国人野手合計成績

37試合16安打7本塁打16打点0盗塁

・外国人選手MVP:ボルシンガー

20試合13勝2敗0セーブ0ホールド 防御率3.06

 今年チームの救世主となったのはなんといってもボルシンガーだ。外国人投手としてはスタンカ(1964年・南海)、マイコラス(2015年・巨人)と並ぶタイ記録となるシーズン11連勝をマークするなど13勝2敗の好成績で最高勝率のタイトルも獲得した。しかし、はっきり言ってしまうと機能したのはボルシンガーだけ。長打力を期待されて入団したドミンゲスはわずか16安打、7本塁打に終わり、その他の選手もほとんど戦力にならなかった。残留が決まったのはボルシンガーと中継ぎのチェンのみ。新外国人として、巨漢のスイッチヒッターである の獲得が発表されたが、まだまだ枠は埋まっていない。ボルシンガーも研究されて成績を落とすことも十分に考えられる。ここ数年の新外国人を見てもボルシンガー以外はほとんど戦力になっておらず、スカウティングの見直しが必要と言わざるを得ない。来シーズンも外国人に期待をかけるのは厳しいと言わざるを得ないのが現状である。

楽天

2018年外国人選手活躍度:B

来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績

87試合7勝6敗18セーブ18ホールド

・外国人野手合計成績

278試合238安打53本塁打147打点5盗塁

・外国人選手MVP:ハーマン

47試合2勝3敗18セーブ12ホールド 防御率1.99

 昨シーズンはウィーラー、アマダ―、ペゲーロが揃って規定打席をクリアしたが、今シーズンはペゲーロが故障、アマダ―が不正薬物の使用で出場停止になるなど三人とも大きく成績を落とした。三人の合計成績だけ見るとチームへの貢献度は小さくないが、チーム低迷の要因であったことは間違いないだろう。リリーフのハーマン、宋が奮闘を見せたのはプラス材料だったが、それでも、チームを浮上させるまでの影響力はなかった。来シーズンはハーマンの残留が決定したが、ペゲーロとアマダ―は退団する。ウィーラーは余力があるように見え、リリーフタイプの右腕としてブセニッツも獲得したが、まだまだ十分とはいえない。Jリーグでは、グループ会社の神戸が大物外国人選手を次々と獲得しているが、イーグルスも2013年の優勝に大きく貢献したマギーとジョーンズのような選手の加入がなければ来シーズンも苦しい戦いを強いられる可能性は高いだろう。

 こうしてみるとパ・リーグは大当たりという球団がなく、全体的に外国人選手が低調だった印象だ。実際にタイトルを獲得したのは最高勝率のボルシンガーだけ。特に野手の不振が目立ち、6球団ともMVPは投手である。ベストナインにも外国人選手が0だったが、これは2009年以来9年ぶりの出来事だった。日本ハム、ロッテ、楽天などは来シーズン外国人選手の陣容が大きく入れ替わることになりそうだが、日本球界を席捲するような新たな助っ人の誕生に期待したい。(文・西尾典文)

※新入団、退団選手の情報は12月3日現在。

●プロフィール
西尾典文

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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