
2018年も熱狂したプロ野球。セ・リーグでは広島が球団初の3連覇を果たし、パ・リーグでは西武が10年ぶりのリーグ優勝。そしてポストシーズンでは、ソフトバンクがリーグ2位からの下克上で2年連続の日本一を成し遂げた。この3球団が、いわゆる“勝ち組”だろうが、ではその費用対効果は果たしてどうだったのか。12球団の選手の総年俸と今年の勝利数を見て、コストパフォーマンスが良かった球団・悪かった球団を明らかにしたい。
労組日本プロ野球選手会が今年5月に発表した支配下選手の年俸調査(シーズン開幕時、外国人選手は除外、出来高払いは対象外)によると、12球団で最も総額年俸が高かったのは、今年もソフトバンクで4年連続のトップ。その額は昨年よりも約5億円増の47億7392万円(1選手平均7826万円)。2位の巨人も昨年から約2億円増で、38億9195万円(1選手平均6380万円)。この2球団が飛び抜けており、3位は阪神の25億85万円(1選手平均4100万円)となった。
4位以下は20億前後でほぼ横並びで、その中でセ・リーグ覇者の広島は20億9348万円(1選手平均3432万円)の6位、パ・リーグ覇者の西武は20億7536万円(1選手平均3402万円)で7位。最も総年俸が少なかったのは、大谷翔平に加えてベテラン勢が移籍した日本ハムで15億2388万円(1選手平均2381万円)だった。
【2018年・12球団年俸総額】
ソフトバンク 47億7392万円(1選手平均7826万円)
巨人 38億9195万円(1選手平均6380万円)
阪神 25億0085万円(1選手平均4100万円)
楽天 22億4746万円(1選手平均3746万円)
オリックス 22億0206万円(1選手平均3610万円)
広島 20億9348万円(1選手平均3432万円)
西武 20億7536万円(1選手平均3402万円)
DeNA 19億7144万円(1選手平均3232万円)
中日 19億6275万円(1選手平均3218万円)
ヤクルト 19億4896万円(1選手平均3143万円)
ロッテ 18億8058万円(1選手平均3083万円)
日本ハム 15億2388万円(1選手平均2381万円)
支配下登録人数が決まっているため、このデータを1選手あたりの年俸に置き換えても順位に変動はないが、これを「1勝あたり」で計算してみると変動あり。ソフトバンクは、ポストシーズンを含めて計92勝(82勝+10勝)を挙げ、1勝あたり5189万円。このソフトバンクを上回ったのが、巨人で1勝あたり5641万円となった。
ポストシーズンの10勝分がなければソフトバンクがトップだったが、周知の通りに下克上の末に2年連続の日本一に輝いたことで、代わりに巨人が1勝あたり5120万円だった昨季に続いて12球団で最も1勝分のコストパフォーマンスが悪い球団となった。