下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)
下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)
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空港からカシュガルの中心までの運賃は2元、約33円
空港からカシュガルの中心までの運賃は2元、約33円

 さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版「世界の空港・駅から」。第63回は中国のカシュガル空港から。

【空港からカシュガルの中心までの運賃は…】

*  *  *

 中国のカシュガル空港。この連載では2回目の登場である。中国では特別な空港ではないのだが、ここ半年の間に何回も利用した。

 カシュガルは中国の西端である。上海から直線距離で約4200キロ。東京から上海までの距離の2.3倍もある。この空港をよく使うのは、中国からインドまで経典を求めて向かった玄奘三蔵の足どりをなぞろうという旅を続けているからだ。シルクロードの拠点の街でもある。

 今回もパキスタンからクンジュラブ峠を越えてカシュガルに入り、そこから帰国した。

 空港に着くと、ターミナルに向かって左手に、空港バスが何台も停まっていた。

 以前から空港と市内を走るバスは走っていた。しかし本数が少なく、いくら待ってもやってこないことが多かった。その不便さが解消されたようだった。

 空港から市内まで空港バスが頻繁に運行している街はありがたい。出費も抑えられるが、それ以上に空港タクシーの質が悪い空港が多いからだ。空港に着いた旅行者は、その街の状況に疎いことが多い。そこにつけ込んで運賃を吹っかけてくる。腹に力を込めて、値切り交渉を続けなくてはならない。空港バスは、そのストレスを一気に解消してくれるのだ。

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バスに書かれた文字が気になった理由とは?