大阪桐蔭・根尾昂 (c)朝日新聞社
大阪桐蔭・根尾昂 (c)朝日新聞社
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 今月25日に開かれるプロ野球ドラフト会議。今年も大阪桐蔭・根尾昂や金足農・吉田輝星をはじめ、球界の未来を担う逸材が揃っている。では、いったい各球団はどんな選手を獲得すればいいだろうか。野球ライターの西尾典文氏に過去の傾向も踏まえて、12球団の「おすすめ選手」を分析してもらった。今回は今季セ・リーグ5位に沈んだ中日ドラゴンズだ。

【進路表明会見を行った吉田輝星投手】

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 何とか最下位は逃れたものの、リーグワースト記録を更新する6年連続Bクラスとなった中日。今シーズンで岩瀬仁紀、荒木雅博、浅尾拓也が引退したが世代交代はまだまだ進まず、外国人の依存度が高いチーム状況に変わりはない。

・過去10年支配下指名選手内訳
高校生投手:16人(主力:1人 戦力:4人)
高校生野手:7人(主力:1人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:20人(主力:4人 戦力:4人)
大学生・社会人野手:20人(主力:2人 戦力:5人)

・過去10年上位指名選手内訳
高校生投手:8人(主力:1人 戦力:2人)
高校生野手:2人(主力:1人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:8人(主力:2人 戦力:3人)
大学生・社会人野手:2人(主力:1人 戦力:1人)

・過去10年育成指名選手内訳
高校生投手:3人(主力:0人 戦力:0人)
高校生野手:1人(主力:0人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:8人(主力:0人 戦力:1人)
大学生・社会人野手:6人(主力:0人 戦力:0人)

 それなりに主力選手になっているが、上位指名から主力となった5人をバイネームで並べると、岡田俊哉、高橋周平、大野雄大、又吉克樹、京田陽太となり、スケールの大きさが感じられない。下位指名から主力になった選手でもリーグを代表するレベルは大島洋平だけ。2002年からに11年連続Aクラスと抜群の安定感を誇り、特に落合博満監督が指揮を執った8年間で4度のリーグ優勝と黄金期を迎えていたこともあって、レギュラーの壁が厚かった影響ももちろんあるが、世代交代がいかにうまくいっていないかがよく分かるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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