「主婦でも大家」作者がスリランカでゲストハウス経営! 多くの誤算と誤解と盲点とは…

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 資産運用のためにアパート経営に乗り出したり、アラフォー間際に世界一周一人旅を強行したりし、自らの体験を『主婦でも大家さんアパートまるごと買う方法』『主婦を休んで旅にでたよくばり世界一周!』(ともに朝日新聞出版刊)などのエッセイ漫画にして、話題を呼んできた東條さち子さん。

【スリランカでゲストハウスを始めた東條さち子さんはこちら】

「思い立ったら即行動」が信条の彼女が、今度はスリランカでゲストハウスを一から建築し、現地スリランカ人と共同で経営。その顛末を雑誌「ネムキ+」(朝日新聞出版)で連載している。10月17日放映の『世界の村で発見!こんなところに日本人』にも登場する東條さんに、スリランカでゲストハウスを始めた理由と経営方法について聞いてみた。

――なぜスリランカというアジアでもマニアックな部類に入る国でゲストハウスをしようと思ったんですか?

 ずっと漫画の仕事を続けてきて、日常生活の疲れや、人生に行き詰りを感じたことから世界一周旅行に出たのが、そもそものきっかけだったんです。世界一周旅行後に出会ったのがスリランカのシーギリアという都市でした。ここはシーギリア・ロックという大きな岩山の頂上に古代都市の遺跡があり、世界遺産にも登録されている観光地なんですが、まずその風景に感動したんですよね。そこで『象乗り体験しないか?』と声をかけてきたのが、今のビジネスパートナーのニッサンカでした。出会いが客引きだったので(笑)、最初警戒しましたが、話すうちに親しくなっていったんですよ。彼はツアーガイドでもあり、象乗りオフィスのマネージャーをしていて、そのお店は観光客に大変人気でした。一緒にゲストハウス経営をしないかと誘われたのは日本に帰国してから、電話で話していた時でした。

――電話でいきなり? かなり無謀にも思える挑戦ですが……。

 私も初めは悩んだんです。だってゲストハウス経営ということはスリランカに移住することになりますし、漫画の仕事や家族のこともありますよね。夫もいますし、海外留学中ですが娘もいます。でも自分の中に日本での生活に対して、不安感がずっとあったんですよね。自営業の自分とタクシードライバーの夫で、共働きの二人三脚で20年近く生活してきましたが、“増税”“福祉問題”“安保”など将来に不安を感じたんです。一方、スリランカでは長年の内戦が終わり、これから経済発展していく明るい展望が見えた。悶々と30分ほど悩んで、夫に移住しようと伝えました。夫は私がやると決めたら絶対に行動するということを知っているので(笑)、しぶしぶですが賛成してくれました。

――海外での会社設立。どんな手続きが必要ですか?

 スリランカでは法律で100%海外資本の会社は設立できません。ゲストハウスビジネスを始める前に、まずはニッサンカと共同で会社を作らなければなりませんでした。3日程度あればその申請ができるという話だったので、5日間の滞在予定で航空券を手配して、すぐに向かいました。空港から5時間ほどかけて、シーギリアの弁護士事務所を訪ねると、会社を設立するためにまずは会社登録所の書類が必要だとわかりました。私のほうも事前に情報を仕入れていたので何となくは知っていたんですが、ニッサンカが全然リサーチしていなくて、もちろん書類も用意してない(笑)。また5時間かけてコロンボに戻りました。翌日、弁護士事務所に行くと、申請登録作業が2、3日かかるという。ちょうど週末だったので翌週の月曜日までかかるということでしたが、月曜日は帰国する日で……。泣く泣く航空券を買いなおしましたが、そもそもニッサンカが事前に準備していたら、こうはならなかった。これが理由で初めてケンカになりました(笑)

――パートナーとの相性は?

 ニッサンカのあまり計画性がなく、できないこともできると言ってしまう、楽天的というか、いいかげんなスリランカ人特有の性格がその後も災いになっています。私自身、日本で数棟のアパート物件などの売買、大家業をしてきたので、その経験をスリランカでも生かせると思っていたんですが、考えが甘かった。その後も建物の建築方法などについても衝突しました。スリランカでは、メジャーなど使用せず、しっかりとした測量なしに家を作るんです。ありえないと思って意見を言うと、これがスリランカスタイルだと。一事が万事そんな状態(笑)。スリランカは島国で、仏教国。同じ島国の日本人とも性格的に似ていると当初思っていましたが、全然似ていない(笑)。男尊女卑がひどいのも盲点でした。旅行をしただけではわからないことばかり。でもやらない後悔より、苦労してもやったほうがいい。だから後悔はないですね。
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